The MATRIX 感想
アクションシーンでスピードがゆっくりになる演出にはかなりアニメーション的な感じがある。戦闘美少女の精神分析内で言及されていた、漫画・アニメ的リアリズムの作りだ(時間の流れが主観的である)。映画でこの技術を使ったとしても、斎藤のいう通りそもそもスピード感が違うので良さを十分に活かしきれているのかと言われると断言できないが、おかげでアクションシーンがスタイリッシュでカッコいいものになっているとは思う。服装が時代によらないものであることも理由のひとつとしてあるとは思うが、20年以上前の作品なのにアクションに関してはそれを感じさせない。 プラグを差し込んだり、黒字に緑のコーディング画面が随所に現れたりと、『GHOST IN THE SHELL』の影響を感じさせる。これが時代によるものなのか、インスパイアされたものなのか定かではないが、日本語版wikipediaに依るとインスパイアされたものらしい。攻殻機動隊を実写でやりたい、というイメージを持っていたようだ。 人種的マイノリティのキャストがかなりの割合を占める&フランス語を喋る白人男性が明確に敵として描かれ、主人公サイドに有色人種が多いというのは時代を考えてもかなり革新的で素晴らしい試みだと感じる。